商社Ⅱ

商社Ⅱ

テーマ:ブログ

◆◆◆◆◆1話

 

 

 

「○○君! 勘違いしないでくれたまえ! 私だって好きでやっている訳ではないんだ!!」

 と、俺の背後の両脇から手を回してブラウス越しに両胸で揉む課長。

 

 俺は、この銀行に入社して今年で3年目の総務部の列記とした係長なのだが、

近年の不況の煽りを受けて、派遣会社から大量に受け入れていた女子の派遣社員を切って、

会社を立て直すべく、各部署から召集されし身長165センチ前後の小柄な男たちは、

通勤する時は背広で勤務する時は、スーツスカートにパンストを履きブラウスにリボンに

ローヒールのサンダル姿で、午前と午後に分かれて、店内に来る客達に背を向けて

仕事をしているフリをする仕事をしている。

 

 業績悪化か連日報道され、金融不安から顧客離れを防ぐ対策として、派遣社員の替わりに

比較的小柄な男性社員たちが、女装してあたかも、ここでは業績は悪化していないと言う

奇策とも取れるアピール作戦に出たのであった。

 

 そして、総務部の係長である俺も招集された中の一人として、女子社員から女の心得を学び

歩き方から、立ち座りに至るまでを毎日数時間勉強して、華々しく店内にデビューしたのが

2週間前なんだが、何かギコチ無いと言う、俺を指摘した女が居たらしく、そして俺は

その日から毎日、毎朝のように一人会議室に呼ばれては、ホモと噂される人事部長の

餌食として、背後から胸を揉まれ続けている。

 

 人事部長曰く!!

「女になりきれないのは、女の気持ちに成り切れていない所為である!」 と、人事部長。

 

 俺に対して普通ならセクハラとも取れるような行動を、研修や勉強と言う名のごとく…

「さあー! 女になるのだ! 女の心になるのだ!」 と、ブラウスの上から乳を揉む部長。

 

 最初は、ブラウスの上に手をかけるだけだった、人事部長も次第にエスカレートし

両胸を揉むようになり、デスクワーク用の椅子から背凭れ無しの椅子に替えられたと思うと

なにやら背中に当る硬い物、内心これは!と思いながらも抵抗出来ずに耐えるのは女心。

 

 何度かブラウスのボタンを外されそうになるものの、何とか危機を脱した俺だったが

俺を嫌いな女性社員が居て、部長にある事ない事を耳打ちしてるらしく、ホモの部長も

それをいいことに、ここぞとばかりにホモダチの和を広げようと画策していた。

 

 今朝なんぞは、俺のウナジにフ~ッと熱い息を吹きかけて来る始末で、会議室なのに

ドアに鍵まで掛けてくるほど熱心な部長だった。

 

 午前中は女装して顧客の目を騙し続け、午後からは減少傾向にある客離れを防ぐべく

奮闘する日々を繰り返している。

 

 まぁ~ 楽と言えば楽だし、女装に使う衣類は全て会社負担と言うこともあって慣れれば

どうってことのない死後となんだが、経費削減で冷房も温度を上げられ25度設定で

暑くて耐えられないでいると、本物の女子社員たちがチョッキを脱ぎ始めたことで、

俺達は窮地に追い込まれたのだ。

 

 俺もチョッキを脱ごうとすると、危険を察知した女子社員が俺に咄嗟に耳打ちした一言。

「係長! チョッキを脱いだら肌着が透けて見えちゃいますよ!」 と、慌てる女子社員。

 

 

 俺達、特命班には翌日からブラジャーとスリップが支給された…

 

 顔は慣れない化粧で肌荒れを起し始めていた…

 

 頭はカツラの所為で拷問のようだった…

 

 俺、どうなっちゃうんだろう…

 

 

 

◆◆◆◆◆2話

 

 

 

 何もしなくてもいいとは言え、流石に着慣れない女物を着て3時間は辛い!

フロントから入り口に掛けては客が椅子に座って或いは、立って見ているから下手な動きも

顔を見られるとヤバいから出来ないし、かと言って何かしようにも実際、俺のデスクには

何一つ入っていないし、兎に角何もしないでいるのは辛い。

 

 パソコンのモニターにも横にカバーが付けられているとは言うものの、周りの男どもの

目もあって、ネットも出来ないときているし、まぁ~ もっとも電源は入っていないのだが。

 

 モニターに向かっていると、いろんなことを頭に浮かんで来る…

俺のこと楽でいいな~ なんて思ってる奴もいるだろうし、気持ち悪いと思っている奴も

当然いるだろうが、俺の外回りの時間まで残り30分、この30分が長いのだ。

 

 ジッとしていると陰部が蒸れて痒くてたまらん!

スカートだから立ち上がった時にゴワゴワしてても妙だと言うことで、幼少期以来のブリーフ

嫌だったが買ってしまった。

 

 流石にブリーフまでは会社には要求できんしなぁ~ トホホだよ。

これが、本店じゃなく支店だったら、こんな事もないんだろうが本店勤務だし…

話しは替わるが、今朝も部長に呼び出された会議室、お決まりのパターンだったんだが、

俺としたことがとんでもないことをしてしまった。

 

 後に立った部長は、いつもの事なんだが俺の両肩に手を置くと軽くポンポンと手の平で

叩くと、置いた両手をジワジワと滑らせて両胸の辺りに手が滑り降りた。

 

 俺がバカだった…

「おぉ! 今朝は… そっか♪ そっかぁ~♪」 と、何やら微笑する部長。

 

 目を閉じて会議机を向いていると…

「そっか、そっか~♪ ムフフフ♪」 と、俺の胸元に右手を入れて来た部長。

 

 時間ギリギリに出勤して来た俺は女装の時に、うっかり襟元のボタンを閉め忘れ

そのまま、気付くこともなく会議室に来てしまったのだ。

 

 それを椅子に座り目を閉じて俯く俺を、部長は勘違いしたようだった…

毎日のようにホモ部長から受けるセクハラの日々、今日に限って胸元を開けておいたら部長も

勘違いすると言うものだろう。

 

 部長は俺の背中に硬くなった物を押し付け、左手で俺の左手首を握るとスルスルッと、

右手をスリップの上に這わせて来た。

 

 一瞬驚いて身体をビクッンとさせてしまった俺に…

「大丈夫だから~♪ 心配しないで~♪ 子猫ちゃん~♪」 と、薄気味悪いホモ部長。

 

 部長の手がスリップの下のブラの端を指でピラピラと弄ぶと、スッと俺の左胸に手が…

「ビクンッ!」 と、部長の手が一瞬、俺の乳首に触れたことで身体を強張らせた。

 

 来る! 俺がそう思って心で防御していると、スッと部長の手は俺の胸から離れた…

「おっ! こりゃこりゃ、すまん!」 と、間違えて入ったように振舞うホモ部長。

 

 部長はそう言うと、俺の側を離れ会議室を出て行ったが、男に胸を触られたショックは

大きく俺のプライドを傷つけた。

 

 呆然としながら胸元のボタンを直していると、会議室のドアが開いて床を叩くヒールの音が

室内に響き、うしろに気配を感じて一番上のボタンを閉じながら振り向くいた。

「お楽しみのようね~♪」 と、微笑んだ女係長。

 

 この女こそが、俺のことをマイナス評価してホモ部長を唆した、俺の同期で女の係長は、

入社以来何かにつけて、俺の仕事を妨害し、社内中に俺の悪口を吹聴しているバカ女。

「中々、お似合いよ~♪ ウッフフフフ~♪」 と、俺を挑発する女係長。

 

 流石に頭に来た俺は、女係長の前に仁王立ちすると…

「ダメねぇ~ ボタン半分しか入ってないわよ~♪」 と、俺のボタンを直した女係長。

 

 女係長は、俺のボタンを直すと無言で会議室を出て行った…

 

 

 

 

◆◆◆◆◆3話

 

 

 

「女の気持ちになっておらんから! あんなガニ股で歩いてしまうんだ!」

 朝から、例の会議室で俺の後から両肩に手を置いて俺を叱責する、部長。

 

「今日からこれを履きなさい! これを履けば少しはガニ股も治るかも知れん!」

 と、後から俺の前の会議テーブルに部長が投げ置いた紙袋。

 

 また、あの女係長がなにやら入れ知恵したらしい…

俺はガニ股ではないし、他の特命班の連中だって誰一人としてガニ股なんぞいないはずだ。

 

 スーツスカート姿の俺は、部長が置いた紙袋を開けて中の物を取り出すと、絶句した。

「それは私からのプレゼントだ! ムフフフフ♪」 と、後で笑みする部長。

 

 白いレースの女物のパンツが3枚入っていた…

「こ!これを僕に履けと言うんですか! 部長!!」 と、肩を震わせて低い声の俺。

 

「そうだ! それを履いて直すべきところは直してもらう!」 と、強気の部長。

 

 両肘をテーブルで立てて両手を組んで、額に当てて考えていると襟元がモゾモゾ

し始めたが、俺の頭の中はパニックになっていて、それどころではなかった。

「こんな物を俺に履けと言うのか!! どうなってんだ!! いい加減にしてくれ!」

 俺は、心の中で部長にも女係長にも叫び怒りが頂点にたっしていた。

 

「ビクゥンッ!!」 俺は、突然無意識に身体が反応した。

 

 気付けば、襟のボタンを外され左胸の中に部長の手が入っていた…

モゾモゾと胸の下着の中に侵入して来た部長の右手は、俺の左胸を覆い尽くしていた。

 

 俺は蛇に睨まれたかえるのうに身動きが取れなかった…

「恐がることはない… はぁはぁはぁ~♪ はぁはぁはぁ~♪」 突然、息を荒くした部長。

 

 咄嗟に俺は…

「部長! パンツ取り替えます!」 と、少し大きめの声を発した。

 

 すると、部長はビックっとしたように手を引っ込めて俺から少し離れて…

「う! あ! あぁ! そ! そうだな!」 と、声を上擦らせた。

 

「こんなもん! 履けるか! バカ野朗!!」 と、心の中で部長に叫んだ俺だった。

 

 会議室から出て行った部長と入れ替わるように入って来たのは特命班の同僚だった。

「おい! 気をつけろ、お前部長に狙われてるぞ!」 と、女装姿で真横に座った同僚。

 

「あぁ、今も胸に手を入れられてたとこだよ!」 と、身体を震わせて話す俺。

 

「そうかー、遂にそこまで来たかぁー!」 と、腕組して俺の方を向く同僚。

 

「こんなもん履けとよ! 俺に!」 と、部長が持って来た女のパンツを指差した俺。

 

「あぁ、部長は女装子のゲイが好きだからな!」 と、真剣な眼差しでパンツを見る同僚。

 

「裏で糸を引いてるのは、女係長の○○だ!」 と、低い声で語る俺。

 

「あぁ、知ってるよ、お前アイツに嫌われてるしな!」 と、パンツを手に苦笑する同僚。

 

「だが、お前はまだいい方だよ、二課の○○なんか、スカートに手を入れられたらしい」

 と、眉を顰めて話す同僚。

 

「でっ! どうなったんだ?」 と、深呼吸する俺。

 

「あぁ、扱かれたそうだよ… 30分間も…」 と、腕組して俯く同僚。

 

「イッたのか?」 と、低い声の俺。

 

「あぁ… スカートとパンスト履いたままでブリーフの中でな!」 と、怪訝そうな同僚。

 

「元々、この特命班の企画は部長が立てたものらしいし、集められた男共は全員が部長の

 好みの奴らばかりらしいぞ!」 と、座っている椅子を前後に揺らす同僚。

 

「やっぱりそうか… 妙だとは思ったよ!」 小声の俺。

 

「次期に俺らも部長のオモチャにされるだろうなぁ~」 と、大きく後に仰け反った同僚。

 

「そんな馬鹿な話しって!」 と、会議テーブルを両手で平手打ちした俺。

 

「オマケに部長は、特命班を一つの部署として重役達に働きかけているらしい」 と、同僚。

 

「なに?! そ! そんな馬鹿な!?」 と、身体を震わせる俺。

 

「馬鹿も何も部署として申請が出てると常務の秘書からの情報だよ」 と、同僚。

 

「じゃぁ、俺達は一生もこのまま女装して働くのか?」 と、同僚を見る俺。

 

「いや、部長がオモチャにして飽きるまでだろう…」 と、俺の顔を見る同僚。

 

「飽きるって?」 と、同僚に質問する俺。

 

「いや、だから、その、何だよ、ヤラれて飽きるまでだよ」 と、口を窄める同僚。

 

「ヤラれる?!」 と、顔を歪める俺。

 

「あぁ、部長に散々味見されてヤラれて飽きるまでだよ!」 と、テーブルに項垂れる同僚。

 

「下手すりゃー 部長の部下にされて定年までオモチャにされるかもな」 と、小声の同僚。

 

「部長の部下だって!?」 と、息を飲む俺。

 

「あぁ、それも散々、ゲイの訓練させられて女装子のままで、毎日部長のオモチャにさせられ

 下手すりゃー 部長のことだから自宅にまで連れ込んで、考えたくねえが、過去にも

 俺の同僚で、部長に自宅で無理矢理犯されたやつ身二人いるんだよ」 と、強張る同僚。

 

「まぁ、そん時は特命班なんてなかったから、背広のまんま脱がされてだろな…」と、同僚。

 

「何で逃げなかったんだ!」 と、隣を向く俺。

 

「薬だよ! 酒に睡眠薬入れられて気付いた時はバージン損失で、縛られてたらしいし」

 と、頬を引き攣らせる同僚。

 

「さてと、行くかな… また、窮屈な午前の勤務が待ってる!」 と、立ち上がった同僚。

 

 同僚は立ち眩みを起したようだった……